BPASSレポート vol.8  〜修正の仕組み化〜

こんにちは。ビジネスパスポート高橋康文です。
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□□ 1.ヒトリゴト 〜 修正の仕組み化 〜 □□
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最近スポーツを見ていると、いろいろな場面で、
「修正ができた」
「ここで修正できるってすごいですね。」
などの声をよく耳にします。
例えば、ラグビーのスクラムで、試合開始当初は、押
されたけれど、何本か組んでいくうちに、逆に押せる
ようになってくる。フォワードが声を掛け合い、時に
は話し合って、みごとに修正してしまう。
フィギアスケートのジャンプの場合は、一瞬の出来事
ですが、踏み切った時に軸が傾いても、見事に着地ま
でに修正して決めてしまう。
一流になればなるほど、この修正能力が高いといって
もいいかもしれません。何度も練習をして、試合に臨
んでも、思い通りにいかないことは、スポーツの一流
選手でもあると思います。
しかし、その状況を、あるいは一瞬のミスをとにかく
試合中に修正できる技量が、勝利や、高いスコアにつ
ながってくるのだと思います。

私たちのビジネス、仕事ではどうでしょうか。

今年は、このような面に力を入れて、こんな事業を成
長させたい。もっとお客様に喜んでもらえるように商
品やサービスをこう改善したい。みんなの給料をアッ
プさせるために、こんな改善をしたい、いろいろな
思いで、時にはワクワクして計画をつくります。
そして、しっかり実行し、頑張って目標の達成をはか
りますね。

大切なのはこの次です。
計画は、決して計画通りに順調にいくとは限りません。
いやむしろ思い通りにいかないのが普通だと思います。
結果が出ないと、誰だってがっかりしますし、上司か
らも叱られるし、意気消沈するのが普通です。
場合によっては自信喪失になるかもしれません。
しかし、そのままでは、何も変わりません。

大体計画がうまくいかないポイントは簡単にいうと二つ
です。一つは、
「実行したか、しなかったか(できなかったか)」
もう一つは
「実行したけど成果があったか、無かったか」
この二つをしっかり検証することです。

そして、
「どうしたら、実行できるか」
「どうしたら成果が出るようにできるか」
を考えることです。

そしてそれに基づいて、やることを修正して、実行する
ことです。

「なーんだ、そんなの当たり前じゃないか」と思われ
るかもしれませんが、意外とこれが実行できない。
いわゆるPDCAの実践です。

このPDCA、結構難しいもので、計画がとん挫したり、
未達で終わってしまうケースを良く見かけます。
「今年の目標は○○だ。何が何でも達成しろ。
 やり方は任せるから、とにかく頑張れ。」
これでは、計画はうまくいきません。

PDCAをきちんと回し、目標を達成するためには、大
きくポイントは二つあります。
一つは各人が、PDCAのスキルを身に着けて、着実に
PDCAができるようにすることです。
もう一つは、社内でPDCAを運営する仕組みを作るこ
とです。

PDCAは個人任せにしてはいけません。
PDCAは計画達成を担保する重要なものですから、
上司、経営陣もその内容を承認し共有しなければなり
ません。共有化することで、部下は安心して仕事に取
組み、上司も安心して任せられ、仮に問題が生じても、
迅速・的確なアクションと成果が期待できると考えま
す。

・計画内容の発表とその内容の承認
・期間中、適宜・適切な進捗状況の把握・報告と
 問題等への対応
・中間時での計画の見直し・修正
・期末時での評価・検証と次期計画への反映

いずれも、部門内・社内での検討会・報告会などの形
で内容を共有し、審議・承認する場を仕組みとして用
意し、個人のPDCAを回す後押しをすることが大切だと
いえます。

PDCAはある意味、失敗の繰り返しです。
しかし失敗も半歩前進です。
この方法では成果が出ないことが判明したわけです。
これを踏まえて、どう実行内容を修正して、目標を達
成するか。
まずは「PDCAが回せない」という課題についてPDCAを
回してみてはいかがでしょうか。

次のようなチェックを是非してみてください。

---PDCAを回すためのチェック項目---

[計画策定]
□その課題は適切か
□目標はチャレンジングか
□具体的な施策は何か
□課題解決の最適な対策かv □問題解決のステップを経て論理的に考えたか

[実行]
□具体的なアクションプラン・スケジュールを立てているか
□実行状況を日々・あるいは週一回確実に把握しているか
□継続するための仕組みがあるか
□状況が変わった時や問題が発生した時どのように対応するか

[評価・検証]
□計画を実行したかしなかったか
□実行した結果、成果が出たか出なかったか
□中途でのアクションの修正や実行は適切だったか
□継続意識は持続できたか

[改善策の実行]
□問題・原因・対策と論理的に構築できたか
□評価・検証を踏まえた改善策の策定をできたか
□広く考えてアイディアが出せたか
□成功施策を継続・強化できたか
□次期への発展に資するものか
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