BPASSレポート vol.14 〜75歳定年?〜

ビジネスパスポート 藤田 武 です

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□□ 1.ヒトリゴト 〜75歳定年?〜□□
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「75歳定年」と聞いたら、あなたはどう思われますか?

 日本の定年制は、昭和初期に55歳を定年とすることでスタートしました。
終身雇用、年功序列がうたわれていた期間が長く、この定年年齢は長期間継続しました。
しかしながら、平均寿命が伸びて、定年年齢は引き上げられてきています。
【1998年】60歳定年
【2000年】65歳までの雇用確保措置努力義務化
【2013年】65歳までの雇用確保措置義務化

 現在政府は、70歳までの雇用確保措置の要請を検討中であり、いずれこれが上記の経緯をたどって 努力義務化→義務化に移行するのは、必然であると考えられます。
 更にもう少し先に目を向けると、出生数が減少して生産年齢人口(15歳〜65歳)が引き続き減少し、 逆に後期高齢者人口(75歳以上)が増加し、2050年にピークに到達する予測されています。
それを踏まえ、年金支払い開始年齢を75歳に変更し、75歳レベルまで定年年齢を引き上げ、年金財政を 健全に保っていくといった議論もあります。

 一方で、「働き方」も大きく変化せざるを得ないと思います。
 会社生活後半の20年間について、これまでの仕事の延長線上で、部下を抱えずスタッフとして定年まで の数年を過ごすといった形態では、会社にも個人にとっても無理があります。
例えば高齢社員限定の組織を創設し、それまでと全く別の人事評価体系・給与体系を構築するという 企業が現れるかもしれません。
いずれにしても、意識をガラっと変革して、積極的に新たなスキルを身に着け、自分のマーケットヴァリュー を上げて、新たな人生を切り開いていかざるを得ないということになるでしょう。

これから試行錯誤がなされると思いますが、高齢者が活き活きと働き、社の業績に貢献する姿を、 日本から世界中にニュースタンダードとして発信できることを期待して、注意深く見守っていきたい と思います。

(株式会社ビジネスパスポート 藤田 武)